蟹牡丹

  • 漆原貴子 都築智子 上田ユカリ 福田夕佳 中山はずみ 中山永季子
  • 120分钟
  • 母はそれとわからない程度に狂っている。娘は母への愛… 母はそれとわからない程度に狂っている。娘は母への愛情と憎悪の間で引き裂かれている。母親を見る娘はあわせ鏡のように自分自身を怖れている。赤い部屋、耳障りに笑う女、土を掘り続ける女…。閉じ込められた小宇宙に拡がる鮮烈なイメージの連鎖。絵画的な画面は快楽的だ。1991年に制作開始されたこの作品は,緑川の実質的なフィルム処女作と言ってよいだろう。その当時緑川には映像化を暖めていたイメージがあったが,主役の母親役に適切な人を探す必要があったため,まだそれを撮り始める事は考えていなかった。ある時,秀作として階段を上るミニマムな作品を製作して行く途中で,その小品に出演の漆原貴子なら可能かもしれないという直感を契機に,明確な脚本は無いまま絵コンテのみで『蟹牡丹』の撮影は開始された。緑川の特質にストーリーを嫌うところがあり,(それは完全に好き嫌いの問題で,興味を持てないという。しかし作品が完全にイメージものかというと,もっと奇妙な現実感がある)それによって作品は当然の事ながら難解なものとなった。そのころ緑川は自分の為に映画を撮っていると公言していた位で,作品を公開することは考えられず,苦痛であったという。他人に観せるという事と自分のために作るという狭間で葛藤しながら撮影と編集は続けられ,一時は61分にまでなった作品もその後改訂が加えられ現在のバージョンとなった

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